君が、嘘を、ついた。

由依

2010年08月08日 19:43

『ユイはオピウムが好きでしたね・・・。この香りはいらないかな?』

最後の日にそう言われてから、アナタの好きな香りをいまだに焚くことができない。

『ユイには、オピウムかな・・。』

オピウムも焚くことができず、

今はもうひとりのヒトが好きな香りで過ごしている。

前に言ってたよね・・・?

『時々、ユイの香りがするんだよ。』

覚えてる?

アタシ、アナタに伝えたかったの。

ここにいるよ。

行き場のないキモチを表したかったの。わざとかもしれない。

なんとも思わなかったかもしれないけど、

近くにいたんだよ・・・って。

それがどんなカタチであれ、アナタに知ってほしかった。

オピウムの香りを思い出すたびに

アナタの香りを思い出すたびに

ごめんね・・・っていつも謝るの。

アナタが選べなかったように

アタシも選べなかったと思う。

『私はズルイですよ・・・。』

アナタが口にするたびにアタシもズルイと思ってたから。

アタシは、もうひとりのヒトと生きていく未来を知っていて、

アナタは選べない未来に苦しんで、居場所を求めて、

同罪じゃない・・・?

だから、

いつもココロの中で謝るの。

『ごめんね・・・』って。

うん、謝ってた。





今もね?迷うの。

別々の道を選んだのだから・・・わかってるの。

でもね、ホントのアタシは帰りたいのかもしれない。

でも・・・・

帰れなくて、行き場のないキモチだけが宙をさまようの。

ねえ?どしたらいい?

アタシは、もうひとりのヒトと生きていく道を選んだの。

アナタも別の道を選んだの。

わかってるのに、ふたりを好きだなんて都合よいよね・・・・。

今さらだけど、選べないの。

アナタももうひとりのヒトも好きでたまらない。

同じLOVEと同じLIKEで。同じくらい好きなのではダメなのかな・・・?

それ以上もそれ以下も欲しいとは思わない。

望もうとも思わない。


アタシ、嘘をついた。





どんなに遠くても

どんなに離れてても

どんなに時間はかかっても

アタシが変わるまで

アナタが認めてくれるまで

アナタを待ってみようかと思う。





もう、自分の気持ちに嘘はつけない。


ズルイのはアタシなんだ・・・。


ひとつだけ・・・お願いがあるの。


気持ちが届いたのなら・・・


バタフライをアタシにください。





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