His。 ★Truth of Love★

由依

2012年03月08日 21:16

『逢いたい・・・』

誰もいない部屋、薄暗い明かりの中でそう呟いてみる。

アタシは、タイセツナヒトとここ最近逢えていない。

アノヒトは、アタシの安定剤のような人だった。

そして、とても個性的なヒトだった。

アタシにないものを持ち、それを分け与えるようなヒトだった。

『すぐに来て。逢いたい。』

そういうと可能な限り、車を飛ばして逢いに来てくれた。

そして、時間の許す限り傍にいて、髪を撫で抱きしめ、話して悟らせる。

その繰り返しだったけど、その時間が好きだった。

だけど、今はもうそれはない。

『ルイが幸せなら俺は安心だよ。』と。

その言葉に泣いてしまう自分がいた。

どうしてかな・・・それはきっと、アタシが恋をしたからだ。

アタシはヒトを好きになった。

でも、タイセツナヒトもアタシにとっては『恋』に似たような感情を抱くヒトなのだ。

『ルイ、強くならなければ。俺は見守っているよ、いつまでも気にかけてる。』

その言葉が痛くて心に刺さる。

なら、アタシをどうして受け入れて傍らにおこうとしなかったの?

『ここまであがって来い。同じ位置に立ちたいのなら。』

アタシはどうしたらよかったの?

あがれたら、アタシを迎えに来てくれるの?

アタシの中で疑問が繰り返される。

アノヒトニトッテアタシハナンダッタノ?



愛してるという言葉では簡単に済まされないヒト。

友達以上恋人未満。

恋人以上家族未満。

・・・家族?

愛してるよりも深く深く結ばれているのだけはわかる。

たぶん、これから先も関ることはあると思う。

切れるということは・・・まず、ない。

『逢いたいよ。』

もう一度呟いてみる。

愛ともわからない深い感情にアタシは今も戸惑うけど、

でもひとつだけ約束したんだ。





・・・強くなるって。


必ず、同じ位置に立ってみせる。

アノヒトが認めてくれるようになる・・と。

それがアタシの愛情だから。

・・・His。

アタシのことを忘れないで。





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『雨音~AMAOTO~』

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『~Real~恋するキモチ。』

『宵闇』

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